妻と祖師ヶ谷大蔵に、ラーメンどんぶりを買いにいこうということになった。
祖師ヶ谷大蔵に、都内でも有数の美味しいラーメン屋さんのどんぶりをつくっている窯元があるのだ。
曇天で、どういうわけか長袖のTシャツにウィンドブレーカーだけで家を出てしまい、駅に着いた頃には寒さでぶるぶる震えていた。
窯元は祖師ヶ谷大蔵から歩いて15分ほどの完全なる住宅街の中にあった。
ご主人さんは気さくに、作成したどんぶりを並べて好きなのを選んでいいよと言ってくださった。
白、黒、灰色、ピンク、みどり、それらがまだらになったようなものがざっと20杯ほどあった。
ひとつだけ青い釉薬がかけてあるものがあり、一目でそれにすることにした。
妻は、白いスタンダードなのを選んでいた。何となく性格が出るものだ。
窯元の中は工房になっていて、数え切れないほどの陶器で山積みだった。
どこからが商品で、どこからが作品で、どこからがご主人の生活用品なのかが渾然一体となり境目がない、不思議な空間だった。
「ああ、自分もこういう、つくることと生活が渾然一体となった生き方をしていきたいなあ」と思った。
帰り道、祖師谷通りを通って帰った。
祖師ヶ谷大蔵は駅の南側に円谷プロがあったとのことで、街灯やマンホールがウルトラマンのあしらいになっていて楽しかった。妻とテイクアウトのから揚げを買って公園で食べたり、コーヒーとプリンを食べたりした。
帰り道、川崎のアカチャンホンポに立ち寄った。
マタニティグッズのガイドさんから、妻の腹帯を選んでくれた。
腹帯だけで何十種類もあり、自分たちだけではきちんと選べなかったので助かった。
そのほかのグッズは、もうしばらく先でいいそうだった。
帰りの電車で、向かいの席に座っている青年がずっと何かを叫んでいて、周囲の人が離れていった。めざましテレビのオープニングや占いのアナウンスを復唱していて、同じ駅で降りたと思ったら自動販売機の前に這いつくばって小銭を探していた。
家に帰ってから買ってきたどんぶりでラーメンをつくって食べた。
自分でも驚くくらいうまくできて、満足だった。来週は、魚焼きグリルでピザを作ってみたい。
夜、twitterでこんな文句をみかけた
身の丈に合った報酬をもらい、身の丈に合った生活をせよ。 日々の勉強を怠るな。誘惑に負けないよう自分を抑えよ。 しっかりと自分を管理せよ。嘘をつかず、正直に生きよ。
本当にその通りだなぁ、とおもった。